おしゃれは、漢字で「御洒落」と書くように、「洒落(しゃれ)」と同じく、「晒れ(され)」「戯れ(され)」が転じた言葉です(漢字の由来等は「洒落の語源」参照のこと)。おしゃれは、「晒れ」よりも「戯る」に基づくものと考えられています。「戯れること」は機転が利き気が利くことから、垢抜けしていることでもあります。そこから、おしゃれをする意味の動詞「しゃれる」が生まれ、おしゃれになったと考えられています。
最近、"こじゃれたカフェ"など、「こじゃれた」という言葉を聞きませんか?"ちょっとおしゃれな"という意味で使われています。しかし、辞書には「こじゃれた」は、「ふざけた」という意味しか載っていないのです。「こじゃれた」は狂言に出てくる言葉で、室町末期から近世初期には既に使われていました。「しゃれた」に接頭語の「小(こ)」がついたものです。 辞書にはひらがなで載っていますが、漢字で考えてみると本来、「ふざ ける・たわむれる」といった意味の『戯(じゃ)れた』に「小(こ)」が付いたものではないでしょうか。これを最近、「気の利いた・おしゃれな」という意味 の『洒落た』をあてて、使われるようになってきているのでしょう。
ところで、「小(こ)」の役割を考えてみましょう。 1. 「こざっぱり」などのように"少し"という意味、2. 「こにくらしい」のように"軽視"の意味合い、3. 「こしゃく」のような"強調"、などの意味があげられますよね。では、新しい意味で使われている「こじゃれた」ですが、"何となくおしゃれ"ですから、 1. の"少し"という意味だと思われますね。
「しゃれた店」というと値段も高く、高級で手の届かない印象もありますが、「こじゃれた店」というと値段も適当で、個性的でもあり、センスの良い店という印象もうけます。価値観が多様化し、個性を求める時代に、「しゃれた」や「おしゃれな」という意味合いとは少し 違った表現が好まれ、「こじゃれた」が使われてきたのかもしれませんね。